極彩色の 夜/奥津 強
朝 極彩色の 太陽が 昇る時
私は メロドラマの 見すぎで
ゴッホのような 眼帯をしていた
そうじゃないと
ペ・ヨンジュンが 幻覚のように見えるのよ
と
祖母が 教えてくれたので
ポストの中に 棺おけが あり
中に 偉大な 詩人になった アダム氏の
遺体が 入っていても
やはり それは ペ・ヨンジュンではないので
ペンキの 塗りたくられた 町並みは
海に 続く
ペンキは 赤で 作られていたので
めいめい 住人は 愚夜氏の詩を 拝読していた
無論 私も その一人だ
海は 暗雲が 広がっていたが
私は 赤い 学生だった
遠くでは 夜が 広がっている
朝が やって来ているというのに
コンビニが 二千軒建っている最中に
死んだ アダム氏が 尊敬され
ハーケンクロイツを 抱かされた
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