Destiny〜老人の最後の願い〜/海月
なる吹かす煙草の煙は宙に白い塊として残る
それが「想いか・・・思い出か・・・」なんて詩人らしい言葉を呟いた
誰かと共に大切な時間を過ごす
誰かが傍にいる時間が運命
誰もいない時間もまた運命
貴方が差し出した手の温もり
二度と触れることない夏の終わり
夢を思い返せばいつかの日常
「なぁ・・俺を笑えよ・・夢を話してるんだから・・・
老人だからなのか・・・変な気を使うのは止めてくれ・・・
なぁ・・おしえてくれよ・・・・
可哀想なんて・・おもうなよ・・・笑えよ・・・」
誰かと共に帰る時間の訪れ
誰かと共にこの場所を去るこれが運命
一人夕焼けに焼けながら帰るこれもまた運命
貴方は俺を守ってくれた優しい人
愛しい人あの時の二人になれたのなら―――――
もうすぐ尽きるこの灯(いのち)
運命ならこの先に貴方がいるように
老人の最後の願いとして
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