Destiny〜老人の最後の願い〜/海月
 
老人と言われる歳になり仕事を止めたのはいつの頃だったか
無機質な都会で半世紀ぐらいは働いていたのだろうか
頭を下げて文句を言われても
自分の生きるために社会のためになんて言って頑張ってこれた

子供の頃によく砂場で造った砂の城
一生懸命な時間それこそが運命
自分を貶して動くのもまた運命

貴方が差し出した大きな傘
二度と帰らないあの日の夕立

夢を話せば笑われる日常

















一人孤独な部屋で暖炉の灯と私の灯(いのち)も乏しくなる
薪を入れればきっと強く燃え上がる筈だがそれすらも入れる力もない
最後となる
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