赤の魔法/yuma
 
言呟いて

時がたち、崩れ落ちる本。
其処でようやく出発点。
風と化す本。繋ぎとめて居たのはたった一言。
それはただの一言。魔法ですらなく。
風と化す本。希薄となる一言がもう意味を無くすとしても。

燈った焔。風が吹けども未だ燃えて。
本で読んだ何か。その一言がもう思い出せずとも。
燈った焔。目印にまた荒野歩き出す。
夜も恐怖ではなく。時も恐怖でなく。

時が立ち、消え行く焔。だとしても。


走り書き語り終え。稚拙な言葉並べただけどしても。
其れでも呟く。本で読んだ何か。その一言。

それはまるで呪文のようで。
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