二つの舟/
純太
湖畔の岸辺に漂う二鞍の
銀の舟を安臥しながら見つめて
一つ目の舟には太陽を
二つ目の舟には明の明星を
乗せて舟を揺らして遊んでいたら
そこには不動の友情が誇らしげに
悪戯食わぬ模様で浮かんでいた
夢追う無限は安定しているんだ
ささやかだから
少し拡充してみようか
曙時に
俺はこの絵を大事に閉じて
湖畔の宿の部屋にある
椅子に座り雫を頬に流した
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