僕と君と麦わら帽子と本   第一章/こめ
 
僕はいま

サンサンに照りつける

太陽をよけるため

大きな木の下で

本を黙々と読んでいる

自分がこの世界にいる

ころころと気持ちがいい緩い風が吹き

さらさらと近くの小川のせせらぎが聞こえ

わいわいとその小川で遊ぶ子供たちの声が聞こえ

その子供たちを麦わら帽子の女性が

微笑みながら見つめていた

ぼくはまたただ字が並べてあるだけの紙を

読み始めた

ぼくは自分だけの世界に入り込んでいた

ふと気が付いたら

もう金色の空が拡がっていた

しまったまた読み過ごしたと

頭を抱え込んでいると

どこかから視線を感じ取り

周りを見ていると

まだあの麦わら帽子の女性が

小川の側で座り込んでこちらを見ていた

そして僕が気が付いたのを分かると

立ち上がりどこかへ消えてしまった

いったい何なんだろうと思ったが

時間が迫っていたのでそのことをあとにした

それが物語の始まりでした



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