北上市ケミストリー/加藤泰清
 
・あるのかねえ」

斉藤「まー俺は安比の方によくいくし、安比のほうが夏油広いけどね」

加藤「・・・じゃあもう名所はねえのか?」

佐藤「そうだ、近くに座禅草<ざぜんそう>って花が生えてんだけど」

伊藤「なにそれ」

佐藤「なんか有名な花らしくて。なんかキモい花なんだけど」

加藤「じゃあ駄目だわ」

佐藤「いや結構人来てるよ。春が来る頃に『ざぜんそうの里』とかいう旗いっぱい立ってるし」

齋藤「結構って・・・どんくらい?」

佐藤「まあ・・・多い時で10人? ぐらいか? よくわかんねえ」

加藤「人も少ないし、なにより地元民が知らない名所なんて名所じゃねえよ」

伊藤「たしかに」

齋藤「じゃあもうない?」

加藤「・・・」

佐藤「・・・」

伊藤「・・・」

齋藤「・・・」

加藤「帰るか」

佐藤「ああ」

伊藤「おお」

齋藤「じゃあな」

加藤「じゃあね」


「・・・」






加藤「あ・・・」

加藤「tarecyanがいたな」
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