柔らかい機械/今唯ケンタロウ
「機械ってね」
「ああそうですか」
「小動物の骨の無数の結合からできていると思っていたんです」
「ほうらやっぱり……」
「易しい感じがしませんか、ほら、こう……」
「むしろなまぬるいと」
「なめ……」
「要は質感の問題という訳ですなあなたの悩みは……」
「その……自分の中の機械を舐めた時の感触があまりに……だったもので」
「みとめたくなかったのだあなたは……」
「それだけじゃなく、ね、ほら、小動物たちが何処へ消えたのかもこれで説明がつくと」
「やはり質感の問題でしょう」
「実際のところあなたよりずっとね、僕の方が現実的だと思うのだがね」
「じゃああなた、なに、あれが何処へ行ったのかは説明できるっていうのかね、
ん、ず ず ずが い こ……つ は どうだねどうなのだね」
「ずず い こつ か ね ずがい こ つ……」
「…………」
「…………」
「ほら」
「だからね」
「やはり質感の問題だ」
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