でもでもでも/炭本 樹宏
清らかな朝 神聖な朝
想いっきり新鮮な空気を
胸いっぱいに吸い込んでみる
遥かな幼き日に見た朝日は
今は見れない
大地に両足を踏みしめていた
季節は美しく通り過ぎた
母の温もりに埋もれていた
季節が何度も通り過ぎ
赤や青や黄色の経験をして
泥道やでこぼこ道をあるいてきた
夢のように月日は流れ
今 ここにたどり着いた
ふてくされてばかりの青春は
苦くて現実から逃れたかった
やがて愛というものを知り
本当の友情をしり
生きることに誠実になろうと誓った
桜舞い散る春も
寝苦しい夏も
鈴虫な
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