エスケープ/
まほし
世界がスッと聞き耳を立てるから
私は黒猫になって逃げる
トレモロしはじめる胸の高鳴りと
アスファルトを飛び跳ねる
肉球のリズムが重なって
不思議な旋律を描くから
誰にも本音を捕まえられたりしない
ところが探偵の君だけは
行く先々で手を差し伸べるので
逃げようにも逃げられない
君へ君へ転がっていく
本音をさらして
月明かりの下
君の前だけで
私はひとりの女にもどる
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