ネコ/電脳ノコギリ
四角に区切られた空間で僕は生きている
死角が殆んどの世界で生きざるを得ない
六畳 頼りなくファンヒーターは燃え続ける
猫の鳴き声ははるか遠く 春声を張り上げて啼いている
春になったというのに外は未だ一桁の温度だった
生と死は言い方も良く似ている ああ 同一事象だ
クソうるせぇ 春猫の声
生が生まれる時 漏れなく死が手招き
鉋のサウンド 脈打つ鼓動
命と言う大木を削っていく 鉋の音だ
命と言う灯火を燃やし続ける エンジンの音だ
流動する時間 止まらない空間
1秒先 10秒先 もっともっと
先
全く見えない未来 真っ
[次のページ]
戻る 編 削 Point(1)