隔たり/
海月
強風が吹き洗濯物が宙を踊っている姿
その風景(すがた)を部屋の中で無風の部屋で見ていた
無風と強風の隔たり
部屋と外の隔たり
透明なガラスの窓
そいつに精一杯の力で何かを投げた
それは
コップ
そいつは
リモコン
ときに
皿
はたまた
携帯電話
または
椅子
どんどん穴が開き
隔たりはなくなり
僕のいる所まで強風が吹き
洗濯物が一枚部屋の中に舞い込んだ
隔たりが僕を守ってくれたことに今頃気づいた
新たな隔たりが出来るのに数日は掛かるらしい
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