空のない地図帳/バカ男
 

たくさんの資料に埋もれて君に愛を告げた分室という部屋


僕の住む街を指でなぞれば指紋が乾く空のない地図帳


こけしを削って食事に入れ続けた、母は父に何の復讐


ひとことで言えばあなたは反抗期と発情期をはきちがえてる


タツノオトシゴに生まれかわりたいと言っていた君、聞いていた僕


生きている人がみな僕に似てた日、僕は誰にも似ていなかった


「家族」という言葉が淋しくて妻と息子に布団をかけた夜




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