続・理解/海月
 
君がいないことを理解し始め
桜の花弁は涙のように降る

誰かの左腕を繋ぐ手錠はなくて
あの日の冷たい感触だけが右腕に纏わり付く

最近は理解した
この腕を自由にしてくれたと
君は優しい人

最近は理解した
寝返りを打たしてくれたのは
他の人を抱いてもいいこと
君は優しい人

それでも僕と君を繋ぐのは
温もり欲しさより
傍にいて欲しいから

春の訪れを感じさせるように
宙を掴む手錠はなぜか暖かい

君がいないことを理解した
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