氷の瞳/まほし
 
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おやすみなさい
の 一歩手前で
あなたが瞼に口づけするたび
生まれて初めて目にした光
を思い出しました


ツキン、と 氷の欠片が飛び散って
あなたが狩人の鋭さでもって
わたしの睫毛に彫刻刀を突き付けて
凍える身体に切なるものを吹き込もうとしているのが
産声のように見えました


わたしは、そう
あなたに作られた氷の人形、でした


おやすみなさい
は 刹那で
日溜まりをたたえた
薄氷のようなもので
足を踏み入れて進もうとしても
二人の眠りは一つの海に沈めない
と知っていたのに


それでも微笑まずにはいられませんでした
だって
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