卒業/海月
 
この道を通るのも今日で最後
この三年の間にビルは多く建ち
三次元を上手に利用している

国道沿いの車の多さは相変わらず
排気ガスには大分慣れた気がする

卒業への時間は僕の気持ちに反比例

伸び行く影を一つ一つ踏み
今日来た道を辿る
もう明日には通ることはないだろう

夕方の春風はまだ冷たさが胸を刺し
少し涙が流れた

家路までの距離は不思議な程長かった
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