優先席/海月
 
朝の通学の時何時も通りの席に座った
そこは優先席と書いてあるが
未だにそこに該当する人が座った所は見たことない
気づけば誰もがその場所に座り続けている
何の意味が在るのか分からないと感じていた

僕の乗る駅から数駅後
向かいのドアが開く
人ごみの大沢は相変わらず
座っている僕は余裕顔
皆必死になって自分の席を確保する
その姿は少し笑える

どあがしまります
ごちゅういください

僕と同い年ぐらいの君が足を引きずり乗ってきた
なんだか分からないけど胸が痛い
一目惚れをしているように苦しくなった
君の席は他の人達に取られてもうないことは一目瞭然
皆自分の場所を大
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