銀色の途/まどろむ海月
 

目覚めのあと 君は ポケットに
物語を入れて 歩き出す

星達がかすれてゆく 
夜明けの波が 
足跡を消す前に

渚でひろった卵の殻を
見つめても
思い出せない家路


 手をのばして
 誰のせいでもないのだよ 

 私でない私が生きている
 それが私なのだから
 
 君でない君を 君として
 そっと抱きしめること
  それは ・・・


暗喩のページを 開いても
見出せないものを
春の気配が広がる
曙の空に
さがしている









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