胸中/海月
午前十時過ぎの窓辺の光
外に出られない
私の有意義な一時
かけがいのない時間
私の為に残された時間
言われなくても気づいている
自分の身に何が起きているのかも
もうすでに朽ちている事
私は何を残せてきたんだろう
短い時を生きてきた間で
何も残せていないから
今、全てが恋しい
二時間もすれば昼食が運ばれる
食べる回数もそんなにないけど
殆ど口に出来ない
人にとって無意味な時はなく
全てがいつかの必要と思える日まで
一生涯の一部として刻まれる
大切な存在へと変わる筈
私の胸中は外にいる誰かへ届くといいな
この想いが春風に乗って届くといいな
遠くに住む誰かの元へ
そっと寄り添えたら
私の生きたと証明は出来るはず
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