無条件降伏/あおば
い繕うのは難しく
続けさせるには新たに別な動機が必要になると、
不快に感じるものは、すぐに捨ててしまう私は
弁解する間もなく新しいジャガイモを素早く掴み
済ました顔で皮むきを続行している私は
柱時計の長針、短針の角度が示す時間を
無条件に信じているのだから
作りあげるジャガイモ料理の味も
無条件に定まってしまい
満足するという領域には到達できない儘でいる
聡明という領域にはほど遠い腕前なのだから
何らかの工夫が必要だと思うのだが
その工夫は、
平らな砥石を用意することに始まるのではないかと
無条件に恐れている
意気地のないジャガイモ料理人だ。
数年前の作
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