指輪/
海月
指輪の冷たさ
僕は自分と似る姿に
いつも嫌っていた
指輪の綺麗さ
君は自分と似る姿を
いつも欲しがっていた
裏と表の存在
どちらかが欠けてた
僕はいないだろう
もしかしたら
君かもしれない
僕らの歩んだ軌跡
二人の分の足跡
後ろに遠く
途中で又欲しがる
その度に今日を思い出すだろう
机の上で廻す指輪は裏か表かどちらかに斃れた
これからの進むべき道は一人で歩み行くことになるだろう
指輪の温もり
冷たさがいつも二人と
僕に言っているように聞こえた
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