不良品のオルゴール/
こめ
夜電気もつけない部屋で
ぼくはベットの上で体育座りして
自分の膝を抱えて
泣いていた
何に泣いているのか
わからない
隣でなっている
ガラスでできた
もろそうな
オルゴールが
くるっている
音をむなしく
流しながら
黙々と動いていた
でもこの狂った
音楽は妙に
ぼくと一体化していた
ぼくは
このオルゴールのように
くるった音しか出せない
不良品だ
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