スーホの白い巨塔/三浦謙樹
 
身長4cmの南国風双児が同時にしゃべる「モスラが来ます」

白鯨に乗ってムー大陸を目指すケメ子と魔将軍ザンニンは、
磁石の力で日本海溝に逃げ込む。
海底2万里は、ペンペン草一本生えない、ぬばたまの闇。
2人は、本当にジャングルで迷ってしまった川口浩のように、恐れおののいていた。

ケメ子は空想した。
あの裏切り者の抜け忍ピュンピュン丸も、追っ手の怪獣使いの赤影の影に怯え、
ウぺぺサンケ山を逃げ落ちて行った時は、こんな心境だっただろうか。

遠くでギルの笛が鳴る『カプセル怪獣はあと3ヶ』
じゅすへるの子孫は恐れおののく『い・・・いんへるの・・』
一万トンの水圧に意識は遠のいてゆく。
生まれる前に死別した双児の兄弟、ドグラとマグラ、、サンダとガイラ、、キキとララ、、
ごめんね、待たせてしまって、、、 (やっと会えるね)

清浄となった腐海の底には、あたり一面に真っ白い造花が敷き詰められていた。

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