霧に書いた詩/あおば
 
凹の砂利道をすっ飛ばす
転ぶことはないので
なぜ無いのかは分からないが
このような精神状態の時は
不思議に転倒はしない
同じ道をグルグルと走っているうちに
もと来た街に舞い戻り
草臥れた、もう動けない
ぼんやりとした頭の中で
砂の道がくねくねと脈動して
早くいらっしゃいと
呼んでいるようだ

ご丁寧に草鞋を差し出す人もいて
腹を立てても狐の悪戯には
敵う人はいないのでした。






作2005/10/11
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