2002 6/1 8:00pm @Yokohama/服部 剛
る弾き語りの唄が流れ
心ががらくただったあの夜が甦る
*
「海に出ようよ」
と缶ビールを手にした友は
つまらない励ましの代わりに
別れ際の車窓から
駅のベンチに座る俺に
「コマネチ」のポーズをとったまま
吹き出す俺の視界から消えていった
*
「荷物を軽くしようぜ!」
「ちょっとやそっとのしくじりなんかに
いちいちクヨクヨしてるヒマはない」 *
お前の言葉が胸に聞こえてくる
みなとみらいの人工入り江を
赤い灯の酔いどれ船がゆっくりと横切るまでに
俺は 俺を 変えよう
広場では松明(たいまつ)を手にした
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