2002 6/1 8:00pm @Yokohama/服部 剛
 
ランドマークタワーの5階から見渡す
みなとみらいの夜景

観覧車の時計が8時を告げる

心臓の鼓動で時を刻む
電気の秒針のまにまに隠れたゴンドラで
想いを重ねる恋人達

巨(おお)きく掘られた石段に囲まれた造船所
無人の広さの中 階段にぽつんと一人
組んだ手を頭の後ろにあてた仰向けの青年は
雲に覆われた星一つない夜空に何を想う

夕食をほおばる僕の前から消えちまった君は今頃何をしてるのか
踏み込めぬ足はもう地団駄を踏むことさえしない

横浜の夜を彩る観覧車の青と赤
光る涙と血の飛沫が うねり 弾(はじ)け 飛ぶ

店内にはやけに沁みる弾
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