劉海戯金蟾/The Boys On The Rock
 
ぼくの肩に乗るピパは
足が一本かけている
だが ときおり
大声で泣くほかは
そこ等の蛙と大差は無い

ただ 知り合いの目利きによれば
それは伝説の金蟾(きんせん)なのだと
だから大事にしろと
ご丁寧にアドバイスをくれた
ふうん

だが こいつ
金蟾のくせに
ちっともぼくに財運を持ってこない
そのうえ
ときどきおしっこを漏らして
ぼくの肩を濡らすのだ

いいかげん アホらしくなって
手を切ろうとしていた矢先
やつは 近所の骨董屋にぼくを誘った
そこで やつは
劉海戯金蟾(りゅうかいぎきんせん)*の巻物に変化し
ガラスの鑑定台の上に飛び乗った
舐る目つ
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