「しゅうりずみ」/服部 剛
 
めて
かたをぽんとたたいて
でていった

( ごご )

ふしぎとちからがぬけた
むねのおくになにかつっかえていたものが
ぽろりとぬけたらしい

ひとびとのなかにはいると
ゆかうえいちめんのくものうえ
ぼくはかかとをうかせて
じそく100きろであるいた

しゅういのひとびとは
すろーもーしょんのえみで
うれしそうにぼくをみていた 

( よる )

しごとをおえたぼくは
こういしつでぬいださぎょうぎのせなかから
はらりとおちるものがあり
あしもとをみると
「しゅうりずみ」のはりがみ1まい

いりぐちのともしびのした
ドアをひらいて
しふくにきがえたぼくがでてくると
ニヤけてたっている
しゅうりやのたけさん

「ちょうしはどうだい?」 

てにしていたのは
やみにキラリとひかる
ぼくのあたまにはいってた
1ばんふといネジだった 




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