「しゅうりずみ」/服部 剛
( あさ )
おきてかおをあらってかがみをみて
「きょうも1にちがんばろう
できのいいにんげんにならねば」
てにしたドライバーで
からだじゅうのねじをしめた
こわばったかおのまま
しょくばでみんなとすごすぼくは
なぜかちぢこまるばかり
あげくのはてに
しゃちょうがはいごにいるときに
ぞうかのはなに
じょうろでみずをやるしまつ
( ひる )
やすみじかんのこういしつでひとり
くたばったぼくはまるまってねていた
ドアがひらき
つなぎをきたしゅうりやのたけさんが
ドライバーをてにはいってきて
からだじゅうのねじをすこしゆるめて
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