黒という希望/jei
 



黒をはじいた誘蛾灯のような自販機
寄り添う僕と
きみが唇を寄せる缶コーヒー
だけ手の中

待つつもりはないのに
やって来る
悪夢のように青ざめた朝

色が始まれば
ばらまかれた白いキャンバスに
一日の悲喜こもごもこもごも
今は忘れて

二匹の蛾

もっともっと

黒くなろうよ
朝をはじくほどの夜に溶ければ

明日なんて無いんだから、
という希望
ほら
祈りだけ手の中


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