ある真夜中のポエジー(第二稿) /服部 剛
 
 


時間という一つの宇宙の中を走る列車はやがて
長い闇のトンネルを走り抜け
無数の星の散りばめられた宇宙空間に浮かび
ほの白く光る銀河の線路の上を
再びゆっくりと走り始める

( 車窓には過ぎ去った遠い日々に
( 夢の地上で生きていた独りの詩人
( 懐かしい青い地球(ほし)をじっと見つめている 

真夜中
手にしていたペンを紙の上に落として
机の上に眠る
男が見る夢の深淵から
列車の走る音が聞こえる 

それは 
今夜も宇宙空間に
ほの白い光で浮かぶ線路の流れのままに
未知なる終着駅へと走り続ける
銀河鉄道の音 



    ガタン
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