ある真夜中のポエジー(第二稿) /服部 剛
オリオン座が西の空に瞬く午前三時
部屋の中で独りの男が
机を照らすランプの明かりの下
白紙にペンを走らせる音
時を忘れ
宛先の無い手紙を綴(つづ)る深夜に
眠れる街の何処かから聞こえて来る列車の音
ガタン ゴトン
ガタン ゴトン
ガタン ゴトン ・・・・・
暗幕の闇を抜けて部屋に届く列車の音
時計が秒針を刻む音
男の胸の内で静かに波打つ鼓動の音
手にしたペンを走らせる音と共に
白紙の上に敷かれゆく言葉の枕木
ありふれた一日の重荷を降ろすように
人々が懐かしい
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