「戦火の涙」/海月
 
僕の暮らす世界の裏
人々が人々を傷つけている
平和を謳うある国が生み出す
苦しむ 恐れ 悲しみ
誰もがそのことを知ったら
平和と呼ばない筈

僕が行った国の少女
片言で話す僕に丁寧に教えてくれる
「生きるため」僕の通訳をしている
その事を知って周りより多い額をあげている
彼女はそのことを嫌がった

僕がこの部屋に泊まり数週間
いつも通りに彼女が来たけど
いつもと違っていた

服は血まみれ 腕を負傷している
今日の仕事をキャンセルして
彼女を病院に連れて行った
彼女はそのことも嫌がった

僕の泊まる部屋に負傷した彼女を一晩泊めた
次の朝幼い少女は色々語り
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