川には鹿の死体が森の一部のようにあった/服部聖一
 
の刺身とあまごラーメンを作ってくれた
ビールを飲み乾杯をする
川音だけの谷すじをラーメンのゆげが下っていく
「ひとりでこんな所へ来て、もし何かあったらどうするん?」とたずねた
「その時はその時や」と、軽々と跳びこえてみせる
言葉は
10年前にガンで余命1ヶ月の宣告を跳びこえて、ひどく説得力があった

思い出したら雨であった
高校時代に琵琶湖に二人で釣りに行ったときも
冷たい雨が降り、橋下でひと休みしたよな
バイクで奈良にツーリングに行ったときも
くもり空で途中から本降りの雨
冬に福井にあまご釣りに来て雨
雨が春をつれてくる
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