時間〜その1/黒田康之
背伸びをする君に
降りかかる粉雪のような時間が
私の足元にはいつも堆積している
鬱蒼とした木立の中に
降りそそぐ冬の日差しのような時間が
私を背面から
ぐさりと刺して
ずるりと通り過ぎる
私の面貌の
少し淀んだ瞳のような
やや腫れている瞼のような時間が
この澄んだ灰色の雪空に拡散してもう止め処がない
私が君を見ているほんの間に
遥かの彼方から飛来して
私を飛翔させるような時間よ
君の眼差しの奥の奥から
私をひそやかに眠らしめるような時間よ
私は今君らである
鬱蒼と林立する
この朝の人の群れに棲む
私に訪れる時間よ
私は既に明らかに君たちなのである
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