雨の温もり/
海月
窓に流れる雨粒を爪でなぞり
無意味であり有意義な時を過ごす
暇を潰すためだけに在る
窓の温もりと雨の温もり
冷たいはずだけど
爪だからか何も感じない
少し孤独な気持ちになった
聞いたこともない飲み物を
自動販売機で買うのは
きっと好奇心だけじゃないな
朝と同じ道を行かずに辿る
駅までの距離は遠くとも近くとも
不思議と優しい気持ちになれた
傘から伝う水滴は髪を撫で
私の傍へ
爪じゃないから
冷たい
と
呟いた
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