夕陽にさよらなを月にこんにちはを/こめ
った
ダーツを一つ取り上げて
テレビの上の方にある的に向けて
腕を振りダーツを投げた
ダーツはうっすらと
弧を描きながらゆっくりと飛び
的の左端のほうに当たった
ぼくはため息をついてまたダーツを
取り上げて投げて取り上げて投げて
5本投げたが
当たったは最初に投げたやつだけで
ほかは壁に刺さっている
そして紅茶を飲み終えたことを確認して
くだらないテレビを消して
カーテンを開けて
今にも沈みそうな
紅蓮の夕陽に
うっとりと見とれて
手を横にふってさよならといった
そしてもうすぐ輝く月にこんにちは
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