スティック・ストイック/無知アコ
飾り気のないウィンクで誘ったあの娘はエチカ
タバコの香りは安い香水で消して
鏡なんて見ないで済むよう銃で割ってみる、衝動にピーチフィズなんて似合わない
割に合わない赤いフェンダージャガーは66-85
潰した林檎は理性に溶ける、呼吸は続く、遣り切れない音は響くだろうか
フレームから覗いた手のひらに、口に咥えた指を触れて
ナンバープレートを逆読みするまでスローダンスは続く
失った笑顔の先には涙なんて隠れるはずもなかった
例えば時速95キロの素敵なキャデラックに飛ばされても
エチカは自慰行為のような妄想を見ていたんだろう
エチカはまだ白い肌のまま夢を見ていた
それは多分、全てブラウン管の砂嵐で起こった出来事でもあった
戻る 編 削 Point(0)