酒がきれた あなたもいない/炭本 樹宏
 

 楽しい宴は夜がふけて始まり
 欠けた月が昇ると
 あなたは僕を残し
 去っていった

 残った酒を飲みながら
 あなたの形をした
 蛍光灯に映る煙を眺めながら
 言葉の返ってこない
 この箱小屋のなかで
 あなたを何度も反芻する

 嗚呼
 酒がきれた
 あなたもいない


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