ほうじ茶/
太郎冠者
同居人が茶を飲みたいというので
ほうじ茶をあける
煎った匂いと
もっさり感に打たれ
枯葉の思考と
つぶやくぼくを
蓑虫に仮託して
小枝や枯葉を身一杯まとい
門にぶら下がって
押し黙って
冬を過ごして
春になると消えてなくなる
そんなことを思いながら
熱すぎる茶碗を渡すと
香ばしさに破顔した同居人は
秋みたいだねって胸が揺れ
毛布からこぼれ落ちた乳房に
ぶら下がるのもいいんじゃないかと
思ったりして
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