僕の意識/くま
ボンヤリしているくせに
強烈な虚脱感がとまらない
世界が勝手に動くから
動いていたのは自分なんだって気づかない
足の指先の感覚はもうなくて
体は痛みに鈍くなって
でも心はそのぶん柔らかくなるみたい
少しの突起にも敏感に痛みを感じてしまう
飛べない世界に窮屈も感じてる
だから意識は薄くなってゆく
まるで桜の花みたいだ
たった一輪だけ咲いて
淡く咲いて
秋の風にすぐに散ってしまう
意識なんてなくて
温度と光に反応しているだけ
人間という複雑な脳みそを持っていながら
僕の精神は単純になってしまう。
ああ、彼女の詩しか頭に浮かばない
淡く、行間の多い、切ない詩。
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