宿無し/こめ
ゆっくりとぼくの心臓は音をたて
ぼくの生きている証明になる
苦しいときも悲しいときも
ぼくは何かにしがみつくわけでもなく
何かに助けを呼ぶわけでもなく
嗚呼落ち葉を拾い
燃やそうかな燃やさないかな
とか迷って結局落ち葉は風に乗り
どっかに跳んでいった
遠い電柱柱をずっと見つめ
何も起きないまま飽きて
またふらりと歩き出した
よくあるおおとぎ話をおもいだしながら
泊まるところも無く
漂って漂って川に身を任せるように
眠ろうか眠らないか
結局寝られずまた宛もなく
さっき聞いていた唄を
口ずさみな
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