僕/ナイトー
 

“自分が気持ち悪くてしかたがないんだ”


そう、僕は自分が自分で気持ち悪い。
“嫌い”とまでは言えないんだけれども。
どうやら、そこまではまだ捨て切れてはいないらしい。
かろうじて、未練ってヤツがあるみたいだ。
(なおさら、なんかねぇ?)


安易。
浅はか。
身の程知らず。
etc.etc.etc.etc.etc.etc.

…嗚呼、もう限界。
気持ち悪くてしかたがないよ。

なんてことを帰り道、あの娘の前で漏らしてしまった。

“きっとそれは、さなぎが蝶へと変わろうとしている瞬間なのよ”

と、彼女。


“…だといいけどね”



僕は心の中で、

“そのさなぎは蛾になるかもしれないぜ”

なんて思っていたんだ。
彼女には悪いけど。



【蛾】……おもに夜行性

(新選国語辞典より)



ほら、ね。

でも、別に蛾でも僕は構わないよ。
自分を変えたいという想いは、確かに僕の中にあるから。


戻る   Point(2)