チカテツの日/---
には太陽はない
かわりに
どこかの誰かを慰める名無しさんのために
接続が人ごとのように用意されてる
まったく出会わずにぶつかり合うのに
僕たちはいつだって
手をつないだつもりでいたんだ
ただチカテツは
やっと来た友達を嬉しそうに抱きしめる
ハッピーバースデー、幸せな誕生日
ハッピー
ハッピーって叫ぶ
歌も歌うよ
みんな生まれました
発車するよ
おいで!
ハッピーバースデー、チカテツ!
終点で折り返し君は後進する
誰もいない線路で
たったひとりで光にあふれ
影を失った
女の子たちは華やかに笑い続けて
僕たちは時速70キロのなかで
お祝いに巻かれた
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