木/こめ
こどもの時によく登った木
なにもかも失ってまた始まりの場所に
戻ってきてしまった
ここから全てが始まった
ある日いつもどうりに
この木のてっぺんに登り
いつもの夕陽を見て
へんな気持ちになりながら
希望を夢にいだき
必ず成功すると
確信を得て
ぼくはこの思い出の木を
あとにした
でもこの現実は
暗黒のに満ちていた
そしてぼくはことごとく破壊された
そして今ここにいる
もう自分にはこの木の
思い出しかなくなっていた
しかしこの思い出は
かけがえのない宝物だった
また意味も無く
涙が滝のように
出てきた
この木はもう
ぼくの心の柱になっていた
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