「結婚」についての考察/服部 剛
れ歌声は震えていた
「 長い闘病生活から放たれた安らかな臨終の寝顔と
毎朝手を合わせる仏壇の写真立てから微笑む笑顔を
思い出しちゃってねぇ・・・ 」
四
年明けに
女の詩友・Sさんと定食屋で会い
お茶をすすり飲みながら話を聞いていた
もうすぐ三回目の結婚記念日だそうで
「 結納(ゆいのう)が終ったあとに、
夫とふたり
喫茶店で向き合いながらコーヒーを飲んだ時
( これで私も一人じゃない・・ )
と思うとじ〜んときたなぁ・・・ 」
と懐かしそうに目を細めていた
テーブル越しにプレゼントしてくれた「 占星術
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