moving/いとやん
 
たとえ果てしない坂道も
この先にキミがいると信じることができたなら
今夜降り続く雨の中
僕の顔を涙で濡らすことはなかっただろう
何一つ叶えることはできなかった
結局残ったのは悲しみ、後悔
永久の祈りは儚く 切なさは積もるだけ
それでもきっと何かを掴んだはずだと
雨雲の間からのぞく星の光に話しかけた
降りしきる雨の音は
泣き声を掻き消していく
だからさらに喚きたくなる
もう一度、と叫んでみても
二度とは戻らない
あの日の自分も嘆いているだろうな
決して離すまいと握ったユメは
時がめぐるたび 薄れていってしまっていた
燃え尽きなかった
中途半端に終わることが 今更になって許せない
それでも時は流れていく
いつかこの痛みも流し、やわらげてくれるだろう
今はびこる灰色の雲の奥に
光と共に明日が待っている
なにかを信じることで
歩き出すことができると
あの日の僕は語りかける
あの頃思い描いた軌跡に
今の僕は乗っかっていないけれど
息を潜めて待っている「明日」を掴まえに行こう




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