角砂糖/
炭本 樹宏
角砂糖がコーヒーカップのなかで
とけていく
時計をみると
もう夕飯の時間だ
歩き続ける
迷い続ける
目に見えない糸が
ぼくをあやつっているよう
ぼんやりした
ぼんやり
信じていたこと
信じていいのかなぁって
思えてきて
今ちょっと
つらい
生という行為を
突き放して
楽になりたい気分なのです
角砂糖のように
宇宙の粒子のなかに
溶けていってしまいたい
晩御飯
いらないや
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