ゴロゴロゴロ/436
ぼくたちはぐるぐると回転しながらすすむ球体である
孤独な球体がまっくらな中を流れにそって進んでゆく
むかしは角ばっていたぼくもずいぶんと丸くなってきた
なかまをみつけると互いを求めて近づいていこうとする
けれども流れがそれを許さないこともあるし
近づきすぎて弾きあうこともある
そんなことを繰り返しながらだんだんすりへってしまう
けれどもそれはたぶん完成に近づいているんだと思う
最後のひとかけらになろうとも
最後の終着点なんかはなくても
ぼくは力の限りにすすんでいく
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