LILY MAGNOLIA/436
 
その姿は太古の時代と寸分違わぬという。
その遺伝子はなにを聴き、なにを目撃してきたのだろうか。

めまぐるしく変化を遂げるこの世界を、どんな思いで眺めているのだろうか。

それとももう結末までお見通しということだろうか?
変わらぬものと変わるもの。
不変とは文字どおりではなく同じ変化を繰り返すことだろう。
枯れない花はないけれど、咲かない花もない。
この心のモヤモヤもいつか霧散することだろう。

誰にも見つかることのないほど小さな花でいい。
咲かすことができさえすれば。
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